株式会社サンエーは2003年に世界で初めて、三井金属鉱業株式会社と共同で尿素水識別センサーの開発に成功し、販売を開始しました。同センサーは、国内の大型トラック・バス向けに現在まで累計12万台が供給されてきました。
当該事業は2009年8月1日付でサンエーに事業譲渡され、サンエーは自社ブランドでの販売を開始しました。日本発の独自の技術として、センサーの検出方法とその製造方法に関する特許(国内21件、海外45件)を保有しています。サンエーは、センサーの普及期に向け更なる製品開発を行っております。
薄膜熱式計測技術の開発と事業化の経緯
- 1994
- 薄膜デバイス技術を応用し熱式流用センサーの開発を開始
- 1998
- 燃料流量計を開発、世界で初めて熱式質量流量計量器の型式認定を獲得
- 2001
- 超微少流量センサー技術を応用し、ガソリンスタンドのタンク漏洩検査装置として認定を獲得
- 2003
- 世界で初めて尿素水識別センサーを開発
- 2004
- 尿素水識別センサーの製造を開始し、国内のトラック会社へ納入を始める
- 2009
- センサー事業(生産・販売・開発)が三井金属鉱業株式会社よりサンエーに事業譲渡される
- 2010
- 燃料の混合物を検出する燃料識別センサーを開発・上市
- 2011
- アメリカ環境保護省(EPA)尿素水識別センサーの装着推奨の指針を公開
- 2012
- 経産省より、大型開発補助金を獲得(2ヵ年計画)
- 2013
- 新型(小型・低コスト)尿素水識別センサー、燃料センサーを上市
乗用車用の尿素水識別センサーの開発に着手 - 2014
- NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)より大型開発補助金を受け、乗用車用の尿素水識別センサーの開発を加速
進化を続ける尿素水識別センサー
サンエーで製造している「尿素水識別センサー」は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる有害物質を除去する為の装置である尿素SCRシステムに組み込まれています。2005年、ディーゼル車向けの排出ガス規制(通称: 新長期規制)が日本国内で適用されました。それに合わせ世界初の製品として尿素水識別センサーの販売を開始し、国内トラック向けに累計8万台を販売して参りました。以来、数年ごとのモデルチェンジを通してセンサーの小型・軽量化を実現し、現在ではトラックだけでなく、建機・農機へも搭載され、日本国内だけでなく海外でも環境保護に貢献しております。北米、ヨーロッパともに排気ガス環境規制は年々厳しくなる傾向にあり、予想される尿素水識別センサー装着義務化の国際化に向けより軽量で競争力のある拡販版の開発を進めております。
センサーの原理
液体は、その種類・濃度により熱伝導率が異なっています。サンエーの尿素水識別センサーはこの熱伝導率の違いを計測することで尿素水の識別を行っております。この原理を用いた計測により、「高精度」な濃度測定と10年以上の「耐久性」を可能とし、自動車の走行中にも、尿素溶液の尿素濃度を正確に識別することの可能な尿素溶液の識別装置を提供しています。